2023 年 43 巻 1_2 号 p. 48-52
心臓サルコイドーシス(心サ症)に対する治療の基本は,免疫抑制療法による心筋組織炎症の抑制であり,本邦では,保険適用を有するステロイド薬を第一選択として用いる.しかしながら,免疫抑制療法の施行下にもかかわらず,進行性の心機能低下,致死性不整脈,心不全増悪あるいは18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomography(FDG PET)における心筋炎症所見の再燃が認められる場合がある.その場合,ステロイド薬の増量を考慮するが,増量プロトコルに関するエビデンスは乏しい.その上,FDG PET所見をガイドとしたステロイド投与量の調整に関して懐疑的な報告も近年散見されており,病勢を正確に反映するバイオマーカーの同定・開発が期待される.また,心サ症に対するステロイド代替療法として少量のメトトレキサート(MTX)を用いることがあるものの,有効性・安全性に関するエビデンスは極めて乏しい.現在心サ症に対するMTXの効果を検証する国際共同無作為化臨床試験が進行中であり,結果が期待される.