サルコイドーシスの皮膚病変を有する患者で臨床・組織・検査所見を検討した.臨床的には顔面の環状型皮膚サルコイド は心臓病変,結節性紅斑様皮疹は眼病変の頻度が高い.組織学的病変の主座は真皮-皮下組織にあるが,被覆表皮の変化も多 彩な臨床像の一因になっている.肉芽腫内にみられる多核巨細胞(MGC)はin vitroで単球から誘導され,muramyl dipeptide の添加でLanghans型MGCが優位となる.このMGC誘導率はサルコイドーシス患者単球で上昇し,細胞融合に関わる P2X7レセプター発現も亢進している.MGCはCD14++CD16-単球から形成されるのに対して,CD14+CD16+細胞はサルコ イドーシス患者末梢血で増加し,血清ACE値と有意な相関性があり,CD14++CD16-単球が肉芽腫の前駆細胞であり, CD14+CD16+単球はサイトカイン産生やT細胞の活性化などに関わっていると推察される.TARCは肉芽腫内に陽性で, CD14++CD16+患者単球がその産生細胞であり,血清中で増加し病勢と関連している.病勢マーカーとしてのsCD163の有 用性や,皮膚病変患者においてもsIL-2Rは増加しACEやリゾチームよりも感度の高いマーカーであること,BAFFやTFH細 胞のかかわりについて報告した.