日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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学会賞論文
サルコイドーシスにおける肉芽腫形成・線維化機序解明
武田 吉人
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2025 年 45 巻 1_2 号 p. 3-9

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抄録

全身性の非乾酪性肉芽性疾患であるサルコイドーシスは,細菌感染などの抗原曝露という環境因子だけでなく,加齢や複数の遺伝的要因が関連する.このような複雑多様な炎症性疾患解明には,分子にフォーカスした仮説検証型研究に加えて,データ駆動的アプローチの両輪が必要とされる.分子オーガナイザーとして機能する細胞膜4回貫通型タンパクファミリーのテトラスパニンは,マクロファージの細胞融合による多核巨細胞形成,細胞活性化,炎症細胞浸潤,肉芽種形成や線維化などサルコイドーシスの病態形成における種々の段階に関わる.  一方,炎症性呼吸器疾患において,細胞外小胞(エクソソーム)が新規メッセンジャーとして注目されている.網羅的解析,とりわけプロテオミクスを駆使することで,サルコイドーシスを含む肉芽腫性疾患に関わるバイオマーカーを同定するだけでなく,シングルセル解析やマルチオミクスから病態解明に寄与することを示す.さらに,サルコイドーシスを含む種々の間質性肺炎について,エクソソームの分子情報と臨床情報から人工知能(AI)を開発し,間質性肺炎における創薬開発や新規バイオマーカー同定に成功した.このように,仮説検証型研究だけでなく,データ駆動的アプローチを駆使することで,肉芽腫の形成・線維化機序を解明すると同時に,バイオマーカー(BM)開発から病態解明や創薬開発への取り組みを紹介させていただく.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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