日本口腔内科学会雑誌
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原著
糖尿病モデルマウスにおける酸化ストレス阻害剤による口腔粘膜創傷治癒の促進
青木 一太倉重 圭史西村 学子山崎 真美佐藤 惇吉田 光希齊藤 正人安彦 善裕
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2012 年 18 巻 1 号 p. 1-7

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抄録
一酸化窒素(NO)合成酵素eNOSによるNO産生は血管障害に対し保護的に働くが,糖尿病では酸化ストレスを介したeNOS産生の異常がみられる。本研究では,酸化ストレス阻害剤N-Acetyl-L-cystein(NAC)が糖尿病の病態とeNOS発現変化,および口腔粘膜創傷治癒に与える影響を検討した。糖尿病モデルKK-Ay/TAJclマウス(KK-Ay)では,糖尿病を発症しないC57BL/6JJclマウス(C57)と比較して体重,血糖値が高く,eNOSの血管内皮細胞での局在が消失傾向にあった。NAC 投与によりKK-Ayの糖尿病症状の改善がみられ,eNOSの発現の上昇が認められ,さらに,KK-Ayでの口腔粘膜創傷治癒の促進が確認された。以上の結果から,糖尿病モデルマウスにおける実験では,酸化ストレス阻害剤はeNOSの発現上昇と共に糖尿病の病態,および口腔粘膜の創傷治癒遅延を改善することが示唆された。
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© 2012 日本口腔内科学会
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