抄録
総人口に占める65 歳以上の割合が21%以上になると超高齢社会と呼ばれるが、まさに現在の日本
がこれにあたる。厚労省の調査によれば、平成22 年度の平均寿命は男性79 歳、女性86 歳であるが、
健康に問題のない状態で日常生活を送ることができる健康寿命はそれぞれ70 歳と73 歳で、男性は9 年、
女性では13 年もの開きがある。自立度の低下や寝たきり、すなわち要支援・要介護状態になれば健
康寿命は損なわれるが、要支援・要介護になる原因の第1位は骨・関節・筋・神経など運動器の障害
である。
そこで、平成19 年に日本整形外科学会では、運動器の障害のために移動能力の低下をきたし要介
護になったり、要介護になる危険の高い状態をロコモティブシンドロームとして新しい概念を提唱し
た。ロコモティブシンドロームをきたす原因には、加齢によるバランス能力や筋力の低下、骨折、骨
粗鬆症、変形性関節症、変形性脊椎症、脊柱管狭窄症などがある。そして、ロコモティブシンドロー
ムを判定する方法としてロコモーションチェックがあり、衰えた運動器を鍛えるロコモーショント
レーニングが開発された。