日本東洋医学系物理療法学会誌
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末梢循環に及ぼす低周波鍼通電療法の影響
―異なる筋収縮様式による検討―
徳竹 忠司
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2015 年 40 巻 2 号 p. 81-86

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抄録
【緒言】鎮痛効果の機序解明を目的とした基礎研究が主流であった低周波鍼通電療法(EAT)は、臨床の場で多く用いられるようになり、鎮痛以外の効果も明らかとなってきた。その中の一つに末梢循環の促進が挙げられる。
【目的】EATにおける刺激の違いが刺激筋及び末梢部の循環動態に及ぼす影響の違いを明らかにすることを目的とした。
【方法】男性7名(23 ~ 40 歳)を対象に、恒温恒湿室内にて仰臥位で右腓腹筋に対し1Hz・100Hz・30Hz・間欠30Hz・スーパーパルス通電及び無刺激をそれぞれ25分間一週間以上の間隔をあけて行い、深部温(前額中央・左右腓腹筋・足底)、指尖容積脈波(左右足第1指)・血圧(右上腕)の測定を行い、各刺激の刺激前後の値を比較した。
【結果】平均血圧(拡張期血圧+(脈圧 /3))・指尖容積脈波には変化は見られるものの一定の傾向はなく有意な変化は見られなかった。体温変動の指標とした前額部深部温は、全実験でほぼ下降傾向を示した。腓腹筋深部温は刺激側の通電 25 分で各刺激中1Hzが平均で0.72±0.27°Cと最も大きな変化を示したのに対し、間欠30(0.28±0.19°C)・SUPER(0.31±0.21°C)・30Hz(0.27±0.15°C)・100Hz(0.14±0.23°C)も上昇傾向にはあったが有意な変化ではなかった。足底部深部温は逆に低下した。
【考察・結論】体温変動の指標とした前額部深部温の刺激前後の変化に差がなかったこと、平均血圧・足母指指尖容積脈波にも刺激前後での有意な変化がなかったことから、体温の変動の影響・血圧 依存性の反応は除外できると考え、腓腹筋深部温の上昇は局所的な反応であり、これを循環促進の結果と考えると、EATによる筋内循環の促進には間欠的な攣縮を起す刺激が有効であると考える。
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© 2015 一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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