日本口腔腫瘍学会誌
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症例報告
原発性骨内癌に対し下顎骨のsagittal split sliding osteotomyと筋突起移植術を併用した顎骨即時再建後にインプラントによる機能回復を行った1例
篠﨑 勝美喜久田 翔伍松尾 勝久森口 智史関 直子楠川 仁悟
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2022 年 34 巻 2 号 p. 73-80

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抄録
下顎骨欠損に対して,Sagittal split sliding osteotomyと筋突起移植による下顎骨即時再建を行った症例について報告する。症例は,62歳,男性,下顎小臼歯部の原発性骨内扁平上皮癌であった。下顎骨体部の区域切除後,45mmの長さの下顎骨の欠損範囲を,45mmの長さの下顎骨近位骨片の外側を矢状方向に骨切りを行い進展させ,残存下顎骨を内側へ寄せ歯列弓を狭めた状態で遠心部に接触するように架橋し修復を行った。将来的な歯科用インプラント治療を可能とする骨幅を確保するために,切除した筋突起を架橋した骨の舌側に移植した。術後2年,歯科用インプラントを用いた機能的再建を行った。歯科用インプラント埋入に先立ち,再建部の歯列弓を拡大するために下顎骨体部のstep osteotomyを施行した。左側下顎臼歯部の顎骨再建部には4本の歯科用インプラントを埋入した。インプラント埋入手術から11か月後,最終上部構造を装着し,上顎と下顎欠損部には可撤式部分床義歯を装着した。顎骨再建部には,歯冠用硬質レジンにてスクリュー固定によるインプラントブリッジを作製し,最終補綴上部構造として装着した。
現在,術後5年以上経過するが,腫瘍再発所見なく,患者はインプラント治療による咬合機能の回復に満足している。
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© 2022 一般社団法人 日本口腔腫瘍学会
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