抄録
【目的】筑波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センター施術部門に新設された、あん摩・マッサージ・指圧外来(以下、マッサージ外来)の外来統計を元に、統合医療システムの中での自由診療によるあん摩マッサージ指圧療法の有用性と課題について考察した。
【方法】2015年4月から2016年3月までの12ヶ月間にマッサージ外来を受療した患者について、外来動態および患者特性に関する項目の調査を行った。
【主な結果と考察】1)患者数が増加していたことから、統合医療システムの中でのあん摩マッサージ指圧療法には、他の治療法とは異なる一定のニーズがあると考えられた。
2)鍼灸治療やリハビリテーションとの併用例がそれぞれ3割前後みられたことから、他の療法とあん摩マッサージ指圧療法の併用は、多様な患者ニーズへの対応や相乗的な治療効果が期待されるものと考えられた。
3)患者の傷病名および主訴の分析から、高齢者の運動器系疾患および脳血管障害後遺症において、あん摩マッサージ指圧療法の需要が高いと考えられた。
4)マッサージ外来運営上の課題として、人的コストが上がりやすい点が挙げられた。
5)医療ニーズや医療システムの変化に伴い、医療の中でのあん摩マッサージ指圧療法の有用性を再評価する必要があると考えられた。