日本東洋医学系物理療法学会誌
Online ISSN : 2434-5644
Print ISSN : 2187-5316
原 著
鍼治療における感染対策の基礎的研究
- 細菌汚染鍼モデルの製作 -
仁平 龍菅原 正秋坂井 友実
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キーワード: , 感染対策, 細菌感染
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2016 年 41 巻 2 号 p. 81-83

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抄録

【目的】一定量の汚染を付加した細菌汚染鍼モデル(以下、汚染鍼)を製作し、鍼の直径の違いによる汚染度の変化を調査した。 【方法】供試菌には、枯草菌芽胞Bacillus subtilisを用い、これにウシ血清アルブミンを添加し、攪拌したものを汚染液(10⁵cfu/100µL)とした。直径の異なる7種類の鍼を各10本用意し、鍼体の先端約20mmを汚染液に浸漬させたものを汚染鍼とした。汚染鍼に使用した鍼の種類は12・14・16・18・20・24・30号鍼の7種類とした。各汚染鍼に付着していた菌を回収し、寒天培地に塗沫後、培養した。菌の培養はインキュベーター内にて、35℃で48時間行い、コロニー数(Colony Forming Unit:cfu)を計測した。直径毎の平均値±標準偏差を算出した。 【結果】各汚染鍼の付着菌数(平均値±標準偏差)を以下に示す。12号鍼は19.8 ± 7.4 cfu、14号鍼は19.4 ± 5.3cfu、16号鍼は25.2 ± 7.4cfu、18号鍼は31.8 ± 7.6cfu、20号鍼は49.2 ± 17.9cfu、24号鍼は62 ± 20.6cfu、30号鍼は63.8 ± 22.6cfuであり、いずれも付着菌数は2桁であった。鍼の直径と付着菌数の間には強い正の相関関係がみられた(ピアソンの相関係数r = 0.734、P < 0.001)。 【考察】7種類の異なる直径の鍼を同一条件下で汚染し、鍼体に付着した菌数を調査した結果、鍼の直径が太くなるにつれ、鍼への付着菌数が増加するという相関関係が認められた。しかし、その一方でいずれの直径であっても付着菌数は2桁であり、菌数が大きく変化することはなかった。  以上のことから、B. subtilisにウシ血清アルブミンを添加し10⁵cfu/0.1mLの濃度の汚染液を作り、鍼を浸漬することで定量的な細菌汚染鍼モデルを製作することが可能であると考えられた。

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© 2016 一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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