日本東洋医学系物理療法学会誌
Online ISSN : 2434-5644
Print ISSN : 2187-5316
大会長育講演
鍼通電療法の実際とその効果
- 組織選択性の意義と臨床の実際 -
徳竹 忠司
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2017 年 42 巻 2 号 p. 17-23

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抄録

 「鍼麻酔」と呼称されていた時代から50年近くになろうとしている現在では、 「鍼通電療法」が 名称として一般的となっている。
 鍼麻酔に代表される鎮痛効果はそのままに、局所循環の促進あるいは自律神経反応を利用した 効果が確認され、鍼通電療法は鍼治療法の中の一角を占めるに至っていると考える。当初は極一 部の施術者が用いていた、筋パルス・神経パルス・椎間関節部パルス・皮下パルス・反応点パル スといった分類も知名度を高めていることを実感する。
 鍼通電療法の5分類の目的を理解し、症状に応用するための充実した情報収集能力を獲得した 者は、施術者としての活動の範囲が拡大すると考えている。その理由は、病態把握・臨床推論の 能力と高度な通電技術を獲得すると、異なる患者であっても、病態が同様であれば効果はあげら れる。つまり、再現性の高い臨床活動が出来るということである。
 日本にあるいくつかの鍼治療法の中で、鍼通電療法は最も歴史が短いものであるにも係わらず、 臨床現場での成績には短期間で進歩をとげている。5分類からも分かるように、かなり単純な発想 のため、適応できて有効な結果を導き出せる症状・病態には限りがあるかもしれないが、50年足 らずで現段階まで到達できていると言うことは、今後にさらなる期待が持てるものである。
 本稿では鍼通電療法の概論に加え、局所循環の促進をさらに効率よく引き出す通電法であるカッ プリングを意識した方法の紹介を行う。

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© 2017 一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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