日本東洋医学系物理療法学会誌
Online ISSN : 2434-5644
Print ISSN : 2187-5316
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あん摩マッサージ指圧師養成学校校内臨床実習における評価に関する調査(第2 報)
- 評価チェックシート試案作成及び臨床指導実践での活用を通して -
郡 拓也緒方 昭広
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ジャーナル オープンアクセス

2018 年 43 巻 2 号 p. 97-103

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抄録

【目的】あん摩マッサージ指圧臨床実習評価の標準化に向けた「あん摩マッサージ指圧臨床実習評 価チェックシート」パイロット版を作成する。
【方法】1. 文献を基にあん摩マッサージ指圧臨床実習評価チェックシート試案(以下、チェックシー ト試案)を作成し、あん摩マッサージ指圧師養成学校45 施設の臨床実習担当教員に対しアンケー トによる意見の聴取・集約を行った。2. 意見を反映したあん摩マッサージ指圧臨床実習評価チェッ クシート(以下、評価チェックシート)(全27 問)を12 施設の協力校に紙媒体・点字データ等で 送付し、臨床でのモニター調査と事後アンケートを実施し、課題点について検討した。
【結果】1. 評価チェックシート試案に関する調査 回収率:45 施設中35 施設78%(盲学校27 施設、 専門学校4 施設、視障センター3 施設、大学1 施設) 意見として、身だしなみについて集約すべき、 口臭・体臭管理は学生の体質に配慮した表現にすべき、刺激強度の評価が困難であること、物理 療法器具の使用について簡便なものに限定すべき等意見があった。2. 評価チェックシートのモニ ター調査 回収数12(11 施設より12 名分の回答)。評価チェックシート使用時の補助: 単独で使 用10(83%)、助手と使用2(17%)評価チェックシートは指導に役立つか: 役立つ10(83%)チェッ ク項目の数: ちょうどよい10(83%)、多い2(17%)使いやすさ: 使いやすい6(50%)、どちら でもない5(42%)適切な使用場面(複数回答可): 臨床実習前試験8(67%)、定期試験6(50%) 平常臨床実習5(42%)ストレスなく使える使用頻度: 各学期1 回7(58%)、1 ヵ月1 回・1 週間 1 回各2(各17%)使用感・課題点等: 肯定的意見として、形成的評価に役立つとの意見、課題点 として、使用場面の明確化、部門別割合の再考の必要性、レイアウトの改善等が挙げられた。
【考察】評価チェックシートのモニター調査では、83%が教員単独で使用している。視覚障害を有 する教員も単独で使用した可能性があるが、点字等複数媒体を配布したことで単独使用の障壁が 減少したと考える。実用・普及に向け、指導者間の共通理解を促すマニュアル整備等が必要である。
【結語】あん摩マッサージ指圧臨床実習評価の標準化に活用可能な評価チェックシートのパイロッ ト版を作成することができた。

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© 2018 一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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