2019 年 44 巻 2 号 p. 45-48
変形性膝関節症とは、軟骨の退行変性であり、疼痛と可動域制限が主症状である。整形外科疾
患の中でも頻度の高い疾患であり、我々理学療法分野においても度々遭遇する疾患である。
変形性膝関節症治療の目的は、いかに疼痛の軽減を図るか、それに可動域の維持・改善が要求
される。
治療法としてはまずは、触診や動作にて関節の動きをよく観察することであり、またその疼痛
がどの部位でどの程度の痛みが出現するかを確認することが大切である。その時、可動域の制限
が関節の軟部組織によるものか、それとも関節そのもの、いわゆる関節包内によるものかを確認
することが、理学療法を進める上で極めて重要であり、軟部組織の緊張であれば、軽いストレッ
チ運動や膝の屈伸運動いわゆる骨運動を数回繰り返し行うことで改善することがある。しかし、
関節包内による拘縮の場合は、関節包内運動いわゆる関節の遊び運動が重要であり、関節面に対
する引き離しや滑り運動を中心に行う。
そこで今回、変形性膝関節症に対する関節包内運動を中心に実技を加えその一部を紹介する。