日本東洋医学系物理療法学会誌
Online ISSN : 2434-5644
Print ISSN : 2187-5316
報告
肩関節の痛み・可動域制限に対するマッサージ療法の有効性に関する研究
菅原 寿彦藤井 亮輔野口 栄太郎木下 裕光佐久間 亨杉田 洋介伊藤 正明
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 45 巻 2 号 p. 49-55

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抄録
【目的】肩関節周囲炎による肩の痛み・可動域制限に対する運動療法を含めたマッサージ療法(以下、 マッサージ療法と略す)の累積効果を検証する目的で前向きの症例集積を行った。
【対象と方法】MRI による画像検査により腱板断裂などの器質疾患が確認されなかった肩関節周囲 炎患者 4 名(男性 3 例 女性 1 例、平均年齢 60.0 ± 9.2 歳)を対象に、週 1 回、9 ~ 12 週の介入を行い、 累積効果を判定した。評価項目は、肩関節痛の VAS、自動運動の肩関節可動域、Constant score とし、 1・6 週目と最終週の介入前に評価を実施した。介入は 2018 年 12 月 10 日~ 2019 年 3 月 15 日に筑 波技術大学保健科学部附属東西医学統合医療センターで実施した。なお、本研究は、同医療センター 倫理委員会の承認(承認番号:201807)を受け、ヘルシンキ宣言に基づいて実施した。
【結果と考察】VAS は 4 例全例で一貫して経過とともに低下した。肩関節可動域は症例ごとのバラ ツキが大きかった。Constant score の総得点は経過とともに一貫して改善した。得点を主観項目と 客観項目に分けて分析すると、疼痛と ADL で構成される主観項目の方が肩関節の可動域と外転筋 力から構成される客観項目よりも大きく改善した。症例数の少なさ、病期や重症度などのコント ロールがなかったなど、いくつかの課題があった。
【結論】肩関節周囲炎による肩関節の痛みと可動域制限及び ADL の改善に、マッサージ療法の反 復介入が有効である可能性が示唆された。
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© 2020 一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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