抄録
【目的】視覚障害者のアクセシビリティに配慮した電子カルテシステムを開発し、そのユーザビリ
ティを評価すること。
【方法】電子カルテシステムはMicrosoft Access を用いて構築し、視認性の高いインターフェースとスクリーンリーダ対応を指向した。ユーザビリティ評価として、臨床実習の授業を履修している大学4 年生4 名(全盲1 名、弱視3 名)を対象に、System Usability Scale(SUS)を含む、操作性やユーザビリティに関するアンケート調査を実施した。
【結果】SUS の中央値は第1 回調査で62.5、第2 回調査で73.8 であり、有意な上昇がみられた(p=0.007、ウィルコクソンの符号順位検定)。操作面では、患者検索、患者基礎情報の閲覧、カルテの閲覧、カルテの入力、音声読み上げ対応において高評価であった。一方で、導入初期の操作方法の習得が課題となっていた。
【考察】結果から、今回開発した電子カルテシステムが、視覚障害者に良好なユーザビリティを提
供していることが示された。今後、円滑な電子カルテの導入を支援する方策の検討が必要である。