日本ペインクリニック学会誌
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原著
神経障害痛に対するプレガバリンの有効性と初回投与量
藤井 洋泉岩木 俊男香曽我部 義則梶木 秀樹
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2013 年 20 巻 1 号 p. 8-11

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抄録
【目的】プレガバリン(pregabalin:PGB)は神経障害痛の第一選択薬である.その有効性を示した報告は150 mg/日以上の投与量であり,少量投与での有効性は明らかでない.そこでPGBを少量から開始し有効性について検討した.【方法】神経障害痛に対して,PGBを50 mg/日の少量で開始し,投与開始時,2週間後,4週間後,2カ月後,3カ月後,6カ月後の痛みを視覚アナログスケール(visual analogue scale:VAS)にて測定した.PGBは1~2週間ごとに副作用が発現するか,痛みが軽減し患者が増量を望まなくなるまで増量した.【結果】患者は88名,年齢は71±10歳.PGB投与開始時に比して,すべての測定点で投与量は有意に増量され,VASは有意に低下した.2週間後のPGB投与量は75±34 mg/日であった.初回投与量での副作用による中止は3例のみであった.【結論】神経障害痛に対するPGB投与にて,投与開始2週間後の早期から有意にVASが低下した.PGBは,投与開始量を少量にすることで,副作用の発現を減少させて,100 mg/日未満の少量でも有意に神経障害痛を軽減することが示された.
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© 2013 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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