抄録
脊椎疾患による上肢・下肢痛の治療中に,突然の多発関節痛と浮腫が発現し,臨床症状と血液検査よりRS3PE(remitting seronegative symmetrical synovitis with pitting edema)症候群と診断した2症例を経験した.2症例ともに男性で,少量のステロイドの内服により短期間で関節痛と浮腫が消失した.ペインクリニックで治療中に関節痛と圧痕性浮腫が出現したときは,関節リウマチとの鑑別が必要な膠原病類縁疾患として,RS3PE症候群を念頭に置く必要がある.