抄録
【目的】市立札幌病院緩和ケアチームでは,オピオイド持続注射単独で鎮痛困難と判断される患者に対してケタミンを併用している.しかし,ケタミンの投与方法はいまだ確立しておらず副作用も問題視されることから,ケタミンの低用量化を図ってきた.そこで今回ケタミンおよびオピオイドの使用動向を調査し,がん性痛マネジメントの変遷について検討を行った.【方法】2006年4月~2007年3月および2010年1月~2012年12月に緩和ケアチームに紹介され死亡まで介入した患者のうち,ケタミンを使用した103症例について,ケタミンおよびオピオイドの使用動向を後方視的に調査し,年次ごとの比較を行った.【結果】ケタミンおよびオピオイドの1日投与量はともに減少が認められた.その要因の一つとして,オキシコドン注射製剤の使用頻度増加が推察された.また,ケタミン投与期間の短縮もみられており,新たな鎮痛補助薬の登場による影響が考えられた.【結論】ケタミンの低用量化が,より適切ながん性痛マネジメントに寄与しているのであれば好ましいものである.今後,ケタミンの研究が進みこれまで以上に患者の苦痛緩和に貢献することが望まれる.