日本ペインクリニック学会誌
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症例
乳がん術後遷延性疼痛による不動化のため異なる転帰をとった2症例
鈴木 愛枝住谷 昌彦榎本 有希穂積 淳阿部 博昭井上 玲央山田 芳嗣
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2017 年 24 巻 1 号 p. 60-63

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抄録

乳がん治療期の疼痛に乳房切除後痛症候群が知られている.痛みによる不動化により,可動域制限や痛み・浮腫などのCRPS様症状が遷延し治療に難渋した症例と,薬物療法に加え運動療法・認知行動療法により不動化を解除し痛みが改善した症例を経験した.がん治療中の痛みへの早期の運動療法・認知行動療法を含めた包括的・積極的な介入は痛みの改善だけでなく,上肢機能改善や心理面での改善をもたらし,患者のQOL改善と社会復帰に貢献すると考えられた.

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© 2017 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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