日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
ISSN-L : 1340-4903
症例
帯状疱疹関連痛に対するパルス高周波の効果
吉河 久美子田代 章悟清永 夏絵西村 絵実大納 哲也上村 裕一
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2019 年 26 巻 1 号 p. 32-35

詳細
抄録

帯状疱疹関連痛に対してパルス高周波法(pulsed radiofrequency:PRF)を施行した症例を,後ろ向きに検証した.対象は,2016年1月から12月までの帯状疱疹関連痛に対してPRFを施行し治療から評価までの間に新規治療の導入のない,7症例(のべ10回のPRFを施行)とした.患者数は7名(男4名,女3名),年齢71.2±12.3(平均±標準偏差)歳に対して治療を行い,うち1名には2回,もう1名には3回施行した.帯状疱疹発症から初めてのPRF施行までの期間は最短で42日,最長で5年3カ月であり,治療から評価までの期間は17±3.6(平均±標準偏差)日であった.評価は治療前後の視覚アナログスケール(VAS)に対してVAS値30%以上低下を有効,VAS値50%以上低下を著効とし検証を行い,また,個々の症例における鎮痛効果に対して考察を行った.結果は,有効が5回,そのうち著効は4回であった.また,いずれも治療による合併症はなかった.今後,病期ごとに分類しVAS値に加え効果持続期間などを項目として前向き研究を行う必要があると考える.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top