日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
ISSN-L : 1340-4903
症例
10年経過後に再発症した難治性舌咽神経痛に対して微小血管減圧術が有効であった1例
松山 知貴大多和 賢登山本 諒伊藤 真史若林 健一雄山 博文
著者情報
ジャーナル フリー HTML

2021 年 28 巻 11 号 p. 214-217

詳細
抄録

症例は51歳男性.10年前に左下顎の疼痛を自覚し,当院耳鼻咽喉科にて三叉神経痛の診断のもと,内服加療で改善し,その後は無治療経過観察となっていた.10年経過後に同症状を再発症し,精査の結果,左前下小脳動脈が責任血管の舌咽神経痛の診断となる.内服加療では疼痛軽減が得られず,薬剤抵抗性のため当科紹介となり,左外側後頭下開頭で微小血管減圧術を施行した.左前下小脳動脈を錐体骨に固定し,舌咽神経痛との接触を解除した.術後合併症は認めず,左下顎痛は速やかに消失した.術後半年間明らかな再発なく経過している.

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top