2023 年 30 巻 3 号 p. 37-41
舌咽神経ブロックは内頚動静脈が近傍に存在するため,大血管穿刺の危険性が高い神経ブロックである.特発性舌咽神経痛に対し,3D-CTおよび超音波診断装置を併用した手技にて舌咽神経ブロックを行い良好な効果を得た1例を経験した.舌咽神経ブロックに対する,透視下もしくは3D-CTナビゲーション下の神経ブロックは,立体解剖学的な部位を確認しやすい利点がある一方で,周囲血管の視認が困難という欠点がある.今回用いた,同一画面上に超音波診断装置から得られた画像を3D-CTナビゲーション画像と併用する手技にて行う舌咽神経ブロックは,いずれか単一の方法より安全性が高い可能性がある.