日本ペインクリニック学会誌
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複視の出現により判明したカテーテル硬膜下腔迷入の1症例
溝口 恭子立山 博一杉浦 良啓野条 良彰
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2003 年 10 巻 4 号 p. 501-504

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抄録

左C6領域の帯状疱疹痛に対する頸部持続硬膜外ブロック中に, 複視の出現でカテーテルの硬膜下腔迷入が判明した1症例を経験した. カテーテル挿入時に1%メピバカインを計6ml注入後, 一過性の血圧低下以外に異常所見は認めなかったため, カテーテルが硬膜外腔に留置されたと判断して注入を開始した. 3日後に1%メピバカイン3ml注入後, 患者が複視を訴えた. 右眼の散瞳, 対光反射減弱, 外転運動障害を認めた. 造影検査で後頭蓋窩に沿った造影所見を認めたため, 硬膜下ブロックによる動眼神経および外転神経麻痺を疑い, ただちにカテーテルを抜去した. 約2時間後, 複視は消失し, 後遺症は認めなかった.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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