日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
ISSN-L : 1340-4903
オピオイド受容体の分子生物学
曽良 一郎渡邉 秀和畑 春実
著者情報
ジャーナル フリー

2004 年 11 巻 4 号 p. 406-410

詳細
抄録
モルヒネに代表されるオピオイドは, 激烈な疼痛の治療において重要な役割を果たしている薬物である. オピオイド系は, 内因性オピオイドペプチドファミリーとμ, δ, κと名付けられた3種の受容体から成り立ち, 鎮痛・報酬をはじめとして広範な生理機能にかかわっている. われわれはμオピオイド受容体遺伝子を欠損させたノックアウト・トランスジェニックマウスを作製した. μオピオイド受容体ノックアウトマウスにおいてはモルヒネの鎮痛作用, 副作用は消失しており, それらがμオピオイド受容体を介していることが明らかとなった. また, われわれはオピオイド受容体遺伝子多型を検討し, モルヒネ鎮痛効果・副作用の個人差との相関を解析していくことで, 疼痛治療におけるテーラーメイド医療の実現を目指している.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top