2006 年 13 巻 2 号 p. 107-112
顔面神経麻痺患者100症例を対象とし, 背景因子, Electroneuronography (ENoG), 味覚検査, アブミ骨筋神経反射 (stapedial reflex: SR), blink reflex (BR) と予後との関係を検討した. 麻痺の臨床的評価は40点法による麻痺スコアで36点以上を治癒とした. 6カ月以内で治癒した症例を治癒群, 6カ月後も治癒しなかった症例を非治癒群として各因子を多変量解析したところ, ENoG (初診時) とSRが予後の予測因子として信頼性が高いと判定された. 1カ月以内で治癒した群, 1~6カ月で治癒した群, 6カ月後も治癒しない群の3群で検討したところ, BRは1カ月以内の早期治癒を評価するうえで有用な検査であることが示された.