頭部打撲などの既往がなく, 特発性低髄液圧症候群 (spontaneous-intracranial hypotension: SIH) と診断され, その後の経過で特発性低髄液圧症候群が頭蓋内圧低下を引き起こし慢性硬膜下血腫が併発した症例に対し, 硬膜外自己血パッチ (epidural blood patch: EBP) が有効であった症例を経験したので報告する. 症例は42歳女性. 1ヵ月前, 強い頭痛が起こり近医受診した. 精査の結果, 右慢性硬膜下血腫, 左硬膜下水腫, 第2~3頸椎の高さに髄液漏が確認され, 当院脳神経外科に入院となり, EBPの目的で当科に紹介となった. 第7頸椎, 第1胸椎間より硬膜外腔を穿刺し, 自己血7m
lを注入後, 穿頭血腫除去術を施行され, 術直後より頭痛の症状は消失した.
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