日本ペインクリニック学会誌
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末梢性顔面神経麻痺患者における Electroneuronography で患側大振幅を示す症例の検討
西木戸 修岡本 健一郎増田 豊橋本 誠樋口 比登実舘田 武志
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キーワード: 顔面神経麻痺, 予後
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2006 年 13 巻 2 号 p. 113-117

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抄録
顔面神経麻痺発症初期の electroneuronography (以下, ENoG) において, 患側の振幅が健側のそれより有意に大きくなる現象を認めることがある. 今回われわれは, 患側大振幅の臨床的意義について検討するために, ENoGにて患側大振幅を示した症例の予後を調査した.
患側大振幅症例は42名中10名であり (頻度24%), 最大ENoG値はすべて4日以内に出現した. 患側大振幅症例は, 電気生理学的検査では完全脱神経に至ることはなかった. 全症例が完全治癒したことから, 患側大振幅症例は予後がよいことが示唆された.
ENoGは発症3日以内では診断意義は低いとされていたが, 今回, 発症から4日以内に患側大振幅を示す症例は予後がよく, 早期予後診断としての意義があると考えられた.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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