日本ペインクリニック学会誌
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多汗症に対する胸腔鏡下交感神経焼灼術の検討
大瀬戸 清茂塩谷 正弘長沼 芳和佐野 智美川井 康嗣井関 明生唐沢 秀武
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1997 年 4 巻 1 号 p. 11-14

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抄録
目的: 1994年1月より95年10月までに多汗症に対する胸腔鏡下交感神経焼灼術を38例施行したので, その治療成績と合併症について検討した. 対象および方法: 多汗症に対して, 胸腔鏡下交感神経焼灼術をレゼクトスコープ使用による Claes が考案した方法に準じて施行した. 施行部位は, 第2から第4肋骨頭上に走行する交感神経幹および節を焼灼切断した. 結果: 手術直後の成績は, 38例 (76手掌) のうち74手掌 (97.4%) の発汗が停止または著明に減少した. 1996年5月に患者との電話インタビューとアンケートによる調査 (経過観察期間は0.5~22カ月で平均8カ月) を行ない, 38例中34例の返答を得た. 34例 (68手掌) のうち32例 (64手掌) (93.4%) の患者が焼灼術後, 手掌の発汗停止または減少していると返事した. 結論: 胸腔鏡下交感神経焼灼術は, 成功率が高く, かつ長期に効果が認められた. この術式は多汗症に対して有力な治療法となりうると考える.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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