日本手外科学会雑誌
Online ISSN : 2188-1820
Print ISSN : 2185-4092
学術集会発表論文
進行期キーンベック病に対する有頭骨短縮骨切り術
森本 友紀子石河 恵濵 峻平高松 聖仁
著者情報
ジャーナル 認証あり

2024 年 41 巻 3 号 p. 286-288

詳細
抄録

Lichtman 分類の病期3B 期以降の進行期キーンベック病に対する加療は定まっていないが,部分手関節固定術,近位手根列切除術などのサルベージ手術を施行している報告を散見する.当科にて,病期3B 期のキーンベック病に対し,適応が病期3A 期までとされる有頭骨短縮骨切り術(以下CSO)を施行し,短期的に良好な除痛効果を得たので報告する.病期3B 期のキーンベック病6 例に対してCSO を施行した.術後,手関節可動域,握力,DASH スコアは全例で速やかに改善し,最終観察時までに症状の増悪は認められなかった.単純X 線パラメーターのLunate Height Index,Carpal Height Index は横ばいからやや低下傾向であった.2 例で隣接関節の関節症性変化の進行を認めたが,除痛効果は維持できている.将来的な関節症性変化の進行や除痛効果の維持等について長期的な経過観察が必要と考える.

著者関連情報
© 2024 一般社団法人日本手外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top