日本ペインクリニック学会誌
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胸椎 Facet rhizotomy の臨床的検討
山上 裕章橋爪 圭司岩阪 友俗古家 仁
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1998 年 5 巻 1 号 p. 25-29

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抄録

目的: 胸神経後枝内側枝高周波熱凝固法 (TFR) の効果・効果持続期間を調べ, 影響する因子を検討した. 方法: TFRを施行し2年以上あるいは死亡するまで経過観察できた46例を対象とした. 効果判定にはVASを用いTFR施行後半減すれば有効とし有効率を算出した. 結果: 対象の原疾患は, 骨転移と圧迫骨折が60.9%を占めた. 有効率は87.0%で, 効果持続期間は5.7±3.5カ月であった. 複数回施行例では, 1回目より2回目のほうが効果持続期間が有意に長かった. 神経症非合併例は合併例に比べ効果持続期間が有意に長かった. 疾患別では圧迫骨折が最も効果持続期間が長く, 骨転移や関連痛の効果持続期間は短かった. 結論: TFRの効果は頸椎・腰椎よりも低かったが, 有効率は87.0%であった. 神経症の有無, 初回か2回目が効果に影響を及ぼした.

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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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