日本ペインクリニック学会誌
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末梢性顔面神経麻痺治療とSSRによる予後判定の試み
本間 豊彦内野 博之岡田 容子武藤 孝夫宮田 和人山口 達郎高橋 俊明澄川 尚三浦 仁一色 淳
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1999 年 6 巻 4 号 p. 367-372

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抄録
目的: 末梢性顔面神経麻痺の新鮮症例35例のSSRを測定し, SSRが末梢性顔面神経麻痺の予後判定の指標となりえるのか検討した. 方法: SSRはニューロパック2および磁気刺激装置を用いて行ない, 右前腕を単回刺激し両側手背にて導出した. 測定条件は Shahani らの方法に準じた. SGB 20回目の顔面神経麻痺スコアが20点以上をI群 (回復良好群) と20点未満をII群 (回復遅延群) に分類した. また, 健側と患側のSSRの振幅の差が30%以上の変化を有する場合に左右差ありとした. 結果: SSRの振幅の左右差が健側に占める割合を%表示するとI群では治療経過に伴い振幅の左右差は有意に漸減しII群では減少しなかった. 平均治療期間 (mean±SD) はI群では45±15日, II群では240±60日であった. 結語: SSRは末梢性顔面神経麻痺の予後判定に有用と思われた.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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