日本ペインクリニック学会誌
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ホットプレート法における疼痛閾値と疼痛耐性水準の指標としての前肢嘗めおよび跳躍
内田 和秀坂本 三樹中川 恵理舘田 武志
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2001 年 8 巻 4 号 p. 394-397

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抄録
ホットプレート法における前肢嘗めと跳躍までの反応時間を, マウスを用いて各種刺激強度 (45~65℃) で比較した.
両反応時間は刺激強度低下とともに延長したが, その割合は跳躍でより鋭敏であった. 両行動間の比較では, 全刺激強度にわたり跳躍でより反応時間は長かった. 各刺激強度における両行動間の反応間に相関は認められなかった. 疼痛行動の観察において, 前肢嘗めは最も早く認められ, 対照的に跳躍は最も遅く認められた. 壁への寄り掛かりは跳躍よりも早く, 室温のケージ内でも認められた. また, 足踏みは必ずしも認められる行動とは言えない.
これらの結果および行動観察より, 前肢嘗めおよび跳躍はそれぞれホットプレート法における疼痛閾値と疼痛耐性水準の指標になると結論する.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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