日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
ISSN-L : 1340-4903
難治性慢性CRPS Type-1患者の電気痙攣療法前後における局所脳血流量の変化
福井 弥己郎重盛 紫乃薦田 恭男藤野 能久高橋 淳山田 尚登松本 富吉野坂 修一
著者情報
キーワード: 局所脳血流量
ジャーナル フリー

2002 年 9 巻 1 号 p. 7-10

詳細
抄録
目的: 難治性慢性CRPS Type-1 では視床の活動異常が深く関与していると考えられており, 前帯状回, 島の血流増加も報告されている. また電気痙攣療法 (electroconvulsive therapy: 以下ECT) の有効性が報告されている. 今回難治性慢性CRPS Type-1 患者にECTを用いた前後で局所脳血流量を比較した. 方法: ECTを施行した3例の難治性慢性CRPS Type-1 患者を対象として, キセノンCTを用いてECT治療前後に視床, 島, 前帯状回の局所脳血流量を測定した. 結果: 3例で病側の視床血流量は減少しており, 著効した2例ではECT治療後は視床血流量の左右差が少なくなった. 前帯状回, 島の血流量の変化に一定の傾向は認めなかった. 結論: ECTが視床血流量の左右差を改善したことが, 難治性CRPS Type-1の症状の軽快につながった可能性が示唆された.
著者関連情報
© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top