日本ペインクリニック学会誌
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群発頭痛に星状神経節ブロックを行った1例; 頭痛発作の推移
横地 歩岡林 和弘小西 阿倭子堀口 良二小西 邦彦丸山 一男
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2002 年 9 巻 1 号 p. 11-15

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抄録

50歳男性の群発頭痛に対し, 星状神経節ブロック (SGB) を試みた. 近医での3ヵ月にわたる, 酸素吸入を含む薬物療法 (スマトリプタンはまだ販売されていなかった) にて難治であったが, 1回目の患側SGBで, 当日午後から症状が半減. 翌日は3ヵ月ぶりに頭痛発作を認めなかった. 以後, 患側SGBを1週間に2回の頻度で, 計10回施行した. 患者の協力で, 連日の頭痛発現時間を, 図示することができたので供覧する (図1). 頭痛発作の頻度と持続時間は, SGBの開始で減少. 頭痛の強さも漸減した. 随伴症状についても, 減弱を認め, 6回目のSGBを行う頃には鼻閉感のみとなっていた. 10回目のSGBを行う頃には, すべての症状が消失. この間, 後頭神経ブロックを1回併用した. 文献上, SGBの群発頭痛への有効性は, 本邦で以前から報告されている. 一方, 群発頭痛の患者では, 交感神経機能の左右非対象な異常, 患側での機能低下が知られている. 群発期においては, 患側交感神経機能の低下を安定させることが症状軽減に役立つように感じられた.

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