日本ペインクリニック学会誌
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神経ブロックを併用した経皮的腰部椎間板摘出術455症例の検討
山上 裕章福島 哲志柳井谷 深志
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2002 年 9 巻 2 号 p. 62-69

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抄録
経皮的椎間板摘出術に神経ブロック療法を併用した腰椎椎間板ヘルニア455症例について検討を行った. 従来の施行適応を拡大し, 椎間板造影・ステロイド注入で再現性疼痛があるか, 一過性効果が認められた症例を経皮的椎間板摘出術の施行対象とした. 術後10日以内に必要に応じて神経ブロック療法を行った. 術後1カ月の有効率は59.8%, 術後6カ月の有効率は68.6%であった. 従来の適応症216症例の有効率は, 術後1カ月で69.9%, 術後6カ月で79.6%であった. 骨棘や脊柱管狭窄を伴う拡大適応症239症例では, 術後1カ月で50.6%, 術後6カ月で58.6%であった. 術後の神経ブロック療法では, 椎間関節ブロック, 腰部交感神経節ブロックが特に有用であった. 経皮的椎間板摘出術と神経ブロック療法の相加・相乗効果により, 拡大適応症例の約50%に十分な改善が得られた.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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