精密工学会誌
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2自由度系静電駆動型ねじり振動子 (第1報)
原理と動特性
臼田 孝梅田 章
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1996 年 62 巻 9 号 p. 1292-1296

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抄録

本報告では, 静電駆動型振動子の電極間隔の微小化と大振幅の両立をはかるため, 2自由度系の振動子に着目した.本原理に基づく振動子を試作し, 変位特性を測定したところ, 電極板の変位がほぼ0になる反共振点が存在することを確認した.
主な結論を以下に示す.
(1) 静電駆動型の振動子において, 電極板と運動板を分離し, 2自由度振動系を構成することで, 電極間隔の微小化と大振幅を両立できる可能性を示した.
(2) シリコンのエッチング技術を用いて振動子を一体形成し, 平面的な加工プロセスにより多自由度系の振動要素を作製できることを示した.
(3) FEMによる振動モー一ドの数値解析を行ない, 実験値とよく一致することを確認した.
(4) 試作した振動子のQは大気雰囲気において20~60であった.
今後粘性を考慮した設計の最適化と, 効率の向上を検討する.

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