精密工学会誌
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ダイナミックダンパで指を制振させたグリッパの基礎研究
本田 智
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1997 年 63 巻 6 号 p. 824-828

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抄録

ダイナミックダンパで指を制振させたグリッパの特徴をまとめると次のようになる.
(1) グリッパの指を (振動子=吸振ばね=把握指=支持ばね) のように2自由度振動系で構成し, 把握指内部で偏心荷重を回転させて周期的強制力を発生させ, この偏心荷重の回転角度と位相角度差を制御して把握指を制振させる.
(2) 制振させた把握指の間で物体を把握し, 両指に取り付けた振動子の振幅がゼロになるように把握力を調節したとき, その時の把握力が物体を滑り落とさず, かつ, 握り過ぎでない最適な力になる.
(3) 重さと摩擦係数が未知な物体やそれらが変動する物体に対して初期把握動作と把握修正動作を行うと, 物体を常に最適な力で, かつ, 制振させた状態で把握することができる.

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© 社団法人 精密工学会
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