精密工学会誌
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光熱駆動式光ファイバ振動子の設計法
鈴木 陽子近藤 由憲花田 武尚片桐 祥雅板生 清
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1997 年 63 巻 8 号 p. 1101-1106

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抄録

光エネルギーを用いて駆動エネルギーをワイヤレス伝達する光ファイバ振動子を構成し, 駆動方法および振動検出方法について実験を行い, 理論解析結果と比較し, 以下の点を明らかにした.
(1) 振動子の振動モード関数の2階微分が最大になる点に光を照射して駆動する時, 振動振幅が最大になる.
(2) 光熱駆動時の振動子先端の振動振幅は, 振動子の縦弾性係数および線膨張係数に比例し, 熱伝導率に反比例する.
(3) 光結合による振動検出条件は, 光ファイバ振動子の駆動を結合効率70%付近で励振し, 振動振幅をできる限り小さくすることである.
(4) 単一モード光ファイバ振動子に, 光ディスクなどに広く用いられている20mWクラスのレーザを用いると10μm程度の励振が可能である.
(5) 以上を総合して光ファイバ振動子系を構成し, 光熱駆動で振動子を励振し, 振動を光結合により検出するというエネルギーと情報の融合した実用性の高い光振動子システムの設計法を示した.

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