抄録
本稿では, 工場内ネットワークの議論に始まったFAシステムのオープン化の流れを追い, 最近のインターネット/イントラネット技術の利用, さらには分散オブジェクト技術の適用までを展望してみた.このような技術の実用化は, 情報処理技術のさらなる進歩に負うところが大きいが, 同時にFAシステム側では, SEMATECHの例で示したようなフレームワークの標準化を進めていく必要がある.このような活動は, 我が国では例えば製造科学技術センターのFAオープン推進協議会で行われている.
FAシステムの情報化, ディジタル化は, NC工作機械の出現により運命づけられ発展してきたとも言える.当初は自動化の推進が議論の中心であったが, 情報化のレベルが今日のように上がってきて, ようやく人の役割を中心にシステムの構成が議論できるようになってきたのだと思う.これからは, 情報ツールを駆使してすべて自分一人でやってしまうような新時代の職人が生まれてくるのかもしれない.