精密工学会誌
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真空ピンチャックの吸着特性 (第1報)
裏面うねりの表面平坦度への影響
宇根 篤暢津島 佳男餅田 正秋松井 伸介石川 良征大平 文和
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1998 年 64 巻 10 号 p. 1517-1521

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抄録

ウエハの平面矯正にピンチャックを利用したさいに発生する裏面うねりのウエハ表面平坦度への影響について理論的・実験的に検討し, ピンチャックの許容使用条件を明らかにした.以下, 結果を要約する.
(1) 1mmピッチのピンチャックを用いて, 裏面に, 表面粗さ0.9μmをもつ精エッチ面ウエハを真空吸着したさいに生じる干渉じまへの裏面うねりの影響は, 厚さ625μm以上のウエハにおいて消滅する.
(2) 裏面に精エッチ面をもつウエハを微少移動すると, 表面に形状変化を生じるが, 1mmピッチのピンチャックを用いることによって, 厚さ700μm以上のウエハでは, その変化量を0.05μm以下に抑えられる.
(3) 上記の平坦度や形状の変化の原因は, ピンピッチと裏面うねりに依存して変化する接触ピン数と接触状態にある. (4) 1mmピッチの真空ピンチャックは, 裏面が鏡面の場合, 厚さ525μm, 精エッチ面の場合, 厚さ700μm以上のウエハのポリシング加工に適用可能である.

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© 社団法人 精密工学会
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