精密工学会誌
Online ISSN : 1882-675X
Print ISSN : 0912-0289
ISSN-L : 0912-0289
マシニングセンタの生産性向上に関する研究 (第2報)
工具経路が生産性に及ぼす影響
閻 喜仁白瀬 敬一河端 裕平尾 政利安井 武司
著者情報
ジャーナル フリー

1998 年 64 巻 5 号 p. 768-772

詳細
抄録
(1) 生産性評価指数として有効送り速度比を導出し, 生産性の良否には, 位置決め制御系の時定数, 工具の1ブロック当たり平均移動距離, 工具移動ベクトルの向きの変化が影響を及ぼすことを示した.
(2) 斜面加工で同じ加工精度を目標に, 同じ半径方向の切込み条件で加工時間を比較すると, 斜面の勾配が0°または90°に近くない限り, スクウェアエンドミルよりもボールエンドミルを用いた方が生産性が良くなる.また, 工具径が大きいほどボールエンドミルがスクウェアエンドミルより効率的である.
(3) 典型的な加工形状に対して, 生産性評価指数eを用いて工具経路パターンの違いによる生産性評価を行い, 等高線パターンによるeが, Zigzagパターンによるeよりも大きいことを示した.
(4) 加工時間の比較でも, 一般に等高線パターンはZigzagパターンに比べて加工時間が短い.例外は, 波状スプライン面をZigzagパターンで波状に沿って加工する場合であった.
(5) 等動力, 中高送りでの加工では, 一般に小径工具の方が加工時間が短い.例外は, 島があるポケット加工の場合であった.
著者関連情報
© 社団法人 精密工学会
前の記事 次の記事
feedback
Top