1998 年 64 巻 9 号 p. 1314-1319
本研究では, 3次元測定点群を入力として三角形メッシュを生成する方法について述べた.提案する手法は, 陰関数再構成法と呼ばれるもので測定データにもとついてボクセル空間にポテンシャル場を生成し, そのポテンシャル場の零曲面をマーチングキューブ法によって抽出することにより三角形メッシュを生成する.本研究では, プローブ円柱なる概念を基にして, ボクセル空間をスキャンすることによってポテンシャル場を求める方法を提案した.この方法に基づきプログラムを試作し, 複雑な形状に適用し実現可能性を示した.
さらに, この手法の特徴として, 計算時間が測定点数よりも格子間隔に依存するため, 測定点が多い場合でも妥当な時間で計算できることや, ポテンシャルを計算するときに, いくつかの測定点を集合的に扱うためデータ誤差に鈍感であることが上げられる.また, データ欠損に対しメッシュに穴が空かないというメリットもあることを示した.