本研究の目的は,全日制と夜間定時制及び多部制定時制において,生徒の学校への適応感に対する,ソーシャルスキル及び友人や教師との関係の交互作用効果を検討することであった。その結果,課題・目的の存在があることによる充実感に対して,全日制はソーシャルスキルの高い生徒の方が友人との関係の関連が強かった一方,夜間定時制と多部制定時制はソーシャルスキルの低い生徒の方が,関連が強かった。この結果から,全日制と夜間定時制及び多部制定時制といった学校環境の違いによって,友人や教師との関係と学校への適応感の関連に対して,ソーシャルスキルの高さが果たす役割が異なることが示唆された。