抄録
包括払い制度 (DPC) の導入などわが国の医療をめぐるさまざまな環境の変化は病院だけでなく在宅医療の現場にも影響を及ぼしてきている。この変化は増え続ける医療費抑制など経済的な面を期待されてのことであろうが、この機会を捕らえて自分達が今まで行ってきた医療を見直し、より患者中心の医療に変えていこうとする動きも認められる。その一つにクリニカルパス、NSTなどのチーム医療が挙げられる。これらのチーム医療は各施設で大きな効果をもたらしているが、病院の機能分化に伴う役割分担や平均在院日数短縮などの動きを考えると、チーム医療は病院など一つの施設内だけでなく地域全体で行うチーム医療を推進していかないと患者中心の医療とはいえなくなる。栄養管理は平均在院日数が14日前後の急性期病院で完結することはほとんどなく、転院先や在宅医療との連携がとても重要と思われる。ここでは胃瘻に関するネットワーク作りなど栄養管理における地域連携の必要性を述べる。