静脈経腸栄養
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20 巻 , 1 号
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特集 : 「外来・入院・在宅」における栄養管理をどう継続させるか
  • 長井 浜江, 猪熊 京子
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_3-1_5
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    在宅医療の主体はあくまでも患者・家族である。生活の場での療養やセルフケアを支援するというスタンスが提供者には求められる。在宅医療を推進するには病院における退院支援と地域医療機関との継続体制が充実していなければならない。特に患者のQOLを維持・向上させるための栄養管理は重要である。医療依存度の高い患者の在宅療養生活支援では、栄養管理を含めて地域医療連携は必要不可欠である。また、患者が安心して安全に療養生活を過ごせるために、栄養サポートチーム (NST) を活用し、患者・家族に取って最も適切な方法を選択し、実施できるように指導し、在宅移行後は地域医療機関と連携を取り合うことが在宅医療の充実に繋がる。
  • 片岡 優実
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_7-1_11
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    在宅での栄養療法が進む中、HPN・HENに対する継続看護が重要になっている。入院中の指導・援助に始まり、外来での看護指導、さらに訪問看護との連携も必要である。患者・家族の在宅での状況をアセスメントし、必要な指導・支援を検討して、それぞれの看護が協力・連携し支援していくことが重要である。また、他部門 (調剤薬局・ポンプレンタル業者など) との調整も大切である。使用する物品・栄養剤・薬液などにおいても、その患者に適切なものを選択し、各担当部門がこれらのことについても情報交換し、統一した指導・援助を行っていくことが望まれる。
    おのおのの場面での看護援助および連携が円滑に行われることにより、患者・家族が、安全に正しい方法で、これらの栄養療法を在宅で自己管理していくことができるようになり、在宅での患者・家族のQOLの向上につながると考える。
  • 丸山 道生
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_13-1_19
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    外来、とくに消化器外科外来における「外来、入院、在宅での栄養管理の継続」は非常に大切な課題である。消化器癌術後患者は、消化管切除による食事量の低下、化学療法、放射線療法などによる食欲不振、癌再発、再燃による食事摂取量の低下などにより常に低栄養になる危険性を有している。また、入院期間の短縮、クリニカルパスの影響により、栄養状態が改善しないまま退院になる傾向がみられる。本稿では、入院、在宅を通した「術後のシームレスな栄養管理」の重要性に関して述べ、著者らの行っている術後患者における在宅経腸栄養療法を紹介した。今後、高齢化社会における消化器手術後で重要なのは、術後の栄養状態の維持と身体機能の維持である。術後患者の外来での栄養とリハビリに重点を置き、QOLの向上、維持に心掛ける必要がある。
  • 山中 英治
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_21-1_25
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    栄養療法に関して、NSTが中心となって、いかにして外来と入院をつなぐ医療が行えるか? まずは病院全体に栄養についての関心を持ってもらわねばならない。
    外来や入院の初診時の栄養評価を徹底して、栄養不良を見逃さず、早期の栄養療法で栄養状態を改善する。入院中に栄養不良を要因とする合併症をなるべく発生させないことがNSTの重要な役割である。
    すべての患者が十分な食事を食べられるようになって退院するわけではない。急性期病院では, 全身状態が改善すれば、嚥下障害や経口摂取障害を有して、転院や退院するケースも増えている。
    また、緩和ケアを在宅で希望する患者も増え、栄養療法を在宅に移行するには、適切な栄養サポートについてNSTがアドバイスする機会も多くなる。地域の診療所や病院との連携も重要である。
  • 岡田 晋吾, 目黒 英二, 貝塚 博史, 石津 順子
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_27-1_32
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    包括払い制度 (DPC) の導入などわが国の医療をめぐるさまざまな環境の変化は病院だけでなく在宅医療の現場にも影響を及ぼしてきている。この変化は増え続ける医療費抑制など経済的な面を期待されてのことであろうが、この機会を捕らえて自分達が今まで行ってきた医療を見直し、より患者中心の医療に変えていこうとする動きも認められる。その一つにクリニカルパス、NSTなどのチーム医療が挙げられる。これらのチーム医療は各施設で大きな効果をもたらしているが、病院の機能分化に伴う役割分担や平均在院日数短縮などの動きを考えると、チーム医療は病院など一つの施設内だけでなく地域全体で行うチーム医療を推進していかないと患者中心の医療とはいえなくなる。栄養管理は平均在院日数が14日前後の急性期病院で完結することはほとんどなく、転院先や在宅医療との連携がとても重要と思われる。ここでは胃瘻に関するネットワーク作りなど栄養管理における地域連携の必要性を述べる。
  • 富田 真佐子
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_33-1_38
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    患者・家族のQOLの向上および在院日数の短縮化に向け、多施設および多職種が連携してケアを継続していく試みが行なわれている。本稿では文献レビューをもとに、継続ケアを目指した連携が、これまでどのように取り組まれてきたかを概観した。医学中央雑誌Webにて「連携」をキーワードとして検索した結果、文献数は1997年辺りから急激に伸び始め、2000年から2004年にかけてほぼ倍に増えている。在宅医療の充実と同時に、入院から在宅への連携方法の開発と、最近ではIT化がすすみ、地域でのネットワーク化も実現してきていることが多くの文献で報告されていた。栄養管理における継続ケアの今後の展望として、在宅栄養管理技術と支援サービスの充実、病院から地域への連携の強化、IT化による情報の共有、地域NSTなど地域ネットワーク体制の構築があげられる。その中で看護師は、チームの中心となって他の専門職や他機関をつなぐ役割を担っている。
  • 早川 麻理子
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_39-1_43
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    病態の変化には、病気にならないための予防期から、積極的な治療を必要とする急性期、そして安定した病態の維持・改善を行う慢性期、さらには終末期がある。またそれらの時期により、外来・入院・在宅のどこで治療を受けるのかは異なる。治療と同じく栄養管理においても、それぞれの各時期に適した栄養サポートが要求されるが、継続したフォローアップがなされないために、多くの投薬を受けていたり、入退院を繰り返したり、在院日数が延長してしまうケースが少なくない。病態の変化に応じた継続的な栄養管理を行うためには、治療の目的が異なる外来・入院・在宅における栄養管理のニーズと役割を明らかにし、三者が連携できる体制をいかに構築するのかということが最も重要な課題といえる。
JSPEN全国栄養療法サーベイ委員会 報告
原著
  • 小沢 浩, 尾崎 裕彦, 石塚 丈広, 有本 潔, 木実谷 哲史, 並木 千晶, 池田 保夫, 橋本 敦
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_59-1_63
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    経腸栄養剤における胃内容物の粘度の検討を行った。食物繊維含有経腸栄養剤ハーモニック-F (以下A剤) 及び食物繊維を配合しない2種類の経腸栄養剤 (以下B剤、C剤) においてpHにおける粘度変化を検討した。また2日間絶食したラットに経腸栄養剤を経口投与し、一定時間後に胃内容物を採取しその粘度及びpHを測定した。
    pHにおける粘度変化の検討では、A剤が低pHで粘度の増加を示すことが観察された。B剤、C剤においても粘度の増加はみられたが、A剤に比べ有意に低かった。ラットの胃内における粘度の検討では、A剤はB剤と比較して20分後に、またC剤と比較して10分及び20分後に有意に高値を示した。これらの結果から、A剤は食道への逆流が少なくなる可能性が高く、胃食道逆流症の新たな治療として有効である可能性があると考えられた。
症例報告
  • 金岡 俊治, 小松 建次, 溝渕 健介, 戸田 さなえ, 西川 こころ, 谷口 明子, 田中 百合子, 西村 美智, 島本 文
    2005 年 20 巻 1 号 p. 1_65-1_69
    発行日: 2005年
    公開日: 2006/12/27
    ジャーナル フリー
    経腸栄養において、胃食道逆流とそれに伴う誤嚥性肺炎は経腸栄養の継続を妨げるばかりでなく、患者の予後を左右する重大な合併症である。今回ペクチンを原料とする粘度調整食品を用いて経腸栄養剤の粘性を上げることにより、栄養剤の胃食道逆流が減少し、誤嚥性肺炎を長期間予防しえた症例を経験した。植物成分であるペクチンを用いた粘度調整は安全性も高く、経腸栄養中の胃食道逆流と誤嚥性肺炎に難渋する症例やその予防に有効な対策と考えられる。
    また、栄養剤の粘性を上げて胃食道逆流や誤嚥性肺炎を防止することにより、比較的短期間に臨床症状は改善した。その上、充分な栄養量を継続して投与することが可能となるため、長期間にわたり良好な全身状態を維持できる。そのことが十分な看護やリハビリテーションに繋がり、結果として患者QOLの向上に寄与し得ることも示唆された。
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