抄録
慢性呼吸不全患者で栄養障害を合併している場合、急性増悪を来しやすく予後が不良である。慢性呼吸不全患者に対する管理においては、呼吸機能障害のみに目を向けるのではなく、栄養障害を含めた全身の機能障害として評価し治療することが重要である。栄養管理の目的は、運動耐容能を改善させるために運動療法の効果を高めること、急性増悪からの回復のバックアップ、急性増悪の回避である。安定期、急性増悪期により栄養管理の考え方も異なる。包括的呼吸リハビリテーションにおいてチーム医療の立場から、十分なカロリー、分枝鎖アミノ酸の豊富な蛋白質、ビタミン、ミネラルの摂取など管理栄養士が専門的視点から慢性呼吸不全の栄養管理で期待される役割は大きい。