静脈経腸栄養
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原著
胃瘻(PEG)チューブに対する“アクアゲル”の微生物増殖抑制及び洗浄効果
丸山 道生長浜 雄志
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2006 年 21 巻 2 号 p. 2_91-2_97

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抄録
“アクアゲル”は水分をゼリー状にしたノンカロリーの食品で、胃食道逆流、誤嚥性肺炎を起こしやすい胃瘻栄養患者に固形化、ゲル化栄養剤を投与する際の水分補給目的で利用される。この“アクアゲル”による胃瘻チューブフラッシングに関して基礎的実験をおこない、従来の方法に比較してチューブを清潔に保つという面で有効であると結論された。“アクアゲル”のチューブ内での微生物増殖の抑制作用は“アクアゲル”が酸性(pH3.7)で、クエン酸や乳酸の有機酸を含んでいるということによる効果と推察された。また、“アクアゲル”の洗浄効果はそれが適度なかたさと付着性が少ない物性を示すゼリー状になっていることから、胃瘻チューブ内を“アクアゲル”が付着残存した栄養剤を効率的に押し出すためと考えられた。“アクアゲル”は、水分補給用食品としての利用以外に、固形化やゲル化栄養剤使用時の胃瘻チューブの有効なフラッシングのために利用できると結論された。
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© 2006 日本静脈経腸栄養学会
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