静脈経腸栄養
Online ISSN : 1881-3623
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ISSN-L : 1344-4980
原著
中心静脈栄養に関連した肝障害の検討
多田 俊史下浦 芳久浦 芳美福岡 幸子甲斐 千穂詫間 晴美西田 玲子
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キーワード: 中心静脈栄養, 肝障害
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2006 年 21 巻 2 号 p. 2_99-2_103

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抄録
当院でTPNに関連したと考えられた肝障害が認められた55名を対象とした。TPN開始から肝障害発症までの期間は3日まで6名、7日まで19名、14日まで12名、21日まで6名、28日まで4名、28日以降8名であった。グルコース投与速度は3mg/kg/min未満が16名、3~5 mg/kg/minが21名、5mg/kg/min以上が18名であった。脂肪製剤を14名で使用し、血液培養の結果から原因菌が同定された感染症合併は12名であった。肝胆道系酵素の最大値はAST:160±160 IU/L、ALT:162±169 IU/L、ALP:618±299 IU/L、γ-GTP:230±348 IU/Lで、肝障害の分類では混合型39名、肝障害型8名、胆汁うっ滞型8名であった。輸液内容変更のみの15名中14名が肝機能改善し、1名のみに改善が認められなかった。輸液内容の変更と経口・経腸栄養を開始した18名全員で改善が認められた。輸液内容を変更しなかった22名のうち経腸栄養を開始した2名で改善が認められた。また、内容を変更せずそのまま輸液を継続した20名中10名で改善が認められた。
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© 2006 日本静脈経腸栄養学会
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