2009 年 24 巻 4 号 p. 927-930
在宅患者訪問栄養食事指導(以下、訪問栄養指導)は、在宅で療養する通院困難な高齢者や、障害を抱えた患者を対象に、管理栄養士が実際に訪問して栄養指導を行なう仕事であり、在宅医療の一端を担っている。在宅医療においては、病院医療と決定的な違いがふたつある。ひとつは、仕事をする「土俵」の違いである。病院医療は、医療者自身の土俵の中で仕事を行なうが、在宅医療は相手(患者)の土俵の中で行う。もうひとつは、病院医療は、キュア(治療)が中心であるが、在宅医療はどちらかというと生活のケア(支援)に重点がおかれる。
わたしたちは、訪問栄養指導を行うとき、この病院医療と在宅医療の基本的な違いを認識し、在宅療養者に寄り添う姿勢が求められる。