抄録
間接熱量計を用いてがん患者の代謝動態を検索した結果、飢餓状態にある場合には健常人と同様にセーブモードが加味されるため代謝亢進がマスクされるものの明らかにエネルギー消費量が増大していた。しかし、悪液質の出現に伴ってエネルギー消費量が一気に減少することが明らかとなった。したがって、この瞬間こそが投与水分量やエネルギー量などを減じるいわゆる栄養管理におけるギアチェンジの実施すべき時期であり、この時期を越えて高カロリーの投与を行うことは生体に対して大きな負担となり、逆に患者を苦しめることにつながる。