抄録
NST活動は、2006年11月から電子カルテのもとで行っている。今回は、NST活動における電子化の有用性と問題点について報告する。電子化前は、紙カルテ運用であった。これは本カルテとは別物で、情報の共有化はじめ数々の問題が存在していた。今回、電子化にあたり院内NST活動の問題点の改善、業務の効率化を目的に様々な工夫をした。専用の「NST診療録」を設け、また輸液処方内容詳細画面を導入し、より詳細で正確な栄養投与内容の計画が静脈栄養で可能となった。導入はスムーズに行なわれ、電子化のメリットが実感でき、NST活動がより円滑になった。一方で、登録漏れや記録の未更新など確実性の点で新たな問題も露呈した。また、経腸栄養や経口栄養への対応が不十分で、これらは早急な対応が必要と考えられた。電子化の導入としては意義があるものの、まだまだ不十分であり、今後さらなる良質なシステム構築を、同じシステムを利用する施設などと協力して行っていくことが肝要と思われた。